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日本の皆様こんばんは。吉島良平(Dynamics MVP for Business Solutions)です。昨日から連投ですが、実はオランダのアムステルダムに来ています。まだ時差ボケで、正直きついのですが、本日もDynamics特派員として頑張ろうと思います。また、FacebookやLinkedInから沢山のHappy Birthday Message本当にありがとうございました!
さて、せっかくなので、最初にオランダについて少し情報を記述しておこうと思います。人口は約1700万人。国土は日本の九州ほど。オランダの首都であるアムステルダムの人口は80万人強、そして通貨は勿論EUROです。付加価値税(VAT)の基本レートは21%(勿論軽減税率もあります)なので結構高いですよね。北部ではフリースランド語を使うところもありますが、基本的にはオランダ語で、欧州の英語圏を除くとかなり英語が一般的に利用可能な国だと思います。たしか、高校生の時に習いましたよね!ネーデルランドという国の名は、”低い土地”という意味で、確か国土の1/4が海抜0M以下とか。なので風車が沢山ありますよね。アムステルダムが初めての方は、観光バスを利用されるといいと思います。非常にコンパクトにまとまっている町なので、数時間で方向感覚を得られると思います。その後動きやすくなりますよ。
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オランダと言えば、個人的にはチューリップのイメージが一番なのですが、Facebookで、Akira Murachi(村地)さんに、Miffyでしょって言われたので、下記の写真を共有しておきます。↓ちょっと疲れている感じに、なぜだか親近感を覚えてしまいましたw
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そろそろ本題に入りますね。実は昨日レジストレーションに来たら、バーコードリーダーが用意できていないからという事で、全員が本日朝から参加バッチをもらうことになりました。もう朝から混雑してOrz…ホテルからは、徒歩10分でたどり着けるので、いい運動になる距離でした。
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Summit EMEAは、ユーザーの有志(コミュニティー)がつくるDynamics製品のITイベント/勉強会です。今回のように、年に数回結構大きめのイベントが欧米で開催されています。製品別に開催することもあるのですが、今回はAXUG、NAVUG、CRMUG、PBIUGの4製品のユーザーグループが一同に会して勉強会やネットワーキングを行うイベントになっています。登録数は1300名Plusのようです。まだ初日なのでもう少し参加者が増えるんじゃないか思われます。
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徐々に集まってきました。
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冒頭、Dynamic Communities IncのMr. Andy Hafer CEOと、AXUGのCIOであるMr. Frank Clabbersが登場し、コミュニティーのサポーターやスポンサーに対し、お礼を伝えました。イベントの開催や運営には、資金/リソースが必要なため、当たり前なのですが、感謝をするということは大切ですよね。
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DYNAMICSHUBへの共同ホスト、そして今回垣根を越えてコラボレーションをしてくれた各コミュニティーへ感謝を。特にDYNAMICSHUBは多くのリソースを出して運営をサポートしてくれているようです。これらのコミュニティーはオランダ、ドイツ、ベルギーなどのDynamics User Groupが前身となっているようです。参加者にとっては、本当にありがたいお話です。
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続いて、各スポンサーに対して、
おっと、スポンサーも、もう一枚。1枚で入りきらないスポンサーリストとは素晴しいですね。しかも、グローバルで活躍しているISVやVARSばかり。当然ながら欧州色が強いですが、凄いメンバーですね。
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勿論、Microsoftからのサポートがないと、大きなイベントは成立しないので、協力に対して感謝を述べられました。僕もいつも感謝しています。ありがとうございます!
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マイクロソフトのイベントらしいオープニングPV
の後に、Mr. Mike Ehrenberg(Microsoft Technical Fellow & CTO for MBS) がステージに登場しました。会場が一体感が生まれたような印象を持ちました。流石、マイクロソフトイベントのオープニングの雰囲気はすごいですね。
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本キーノートは、3月中旬に米国シアトルで行われたDynamics365 Tech Conference 2017のキーノートが骨子となっていましたが、ユーザー向けによりわかりやすく、且つCRM、NAV、Power BIユーザーグループイベント用にアレンジがなされたものでした。↑まずは、そちらのフィードバックを見ていただけると幸いです↑
基本に忠実なのは非常に大切なことです。よって、マイクロソフトのミッションステートメントの確認から、

企業はデジタル変革を遂行していく必要があります。
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デジタル変革を起こすためには、クライアントとのエンゲージメント、(Dynamics365の活用例をとりあげて)
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社員にITという力を与えること、(Office365やPower BIなどの活用例をとりあげて)
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オペレーションを継続的に微調整していくこと、(ExcelからPower BIでの分析スタートという実例をとりあげて)
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製品を継続的に改良していくことが不可欠です。(Azure IoTの活用事例をあげて)
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企業が避けて通ることのできないデジタル変革について、下記のような数字で解説をしました。これがもたらす毎年の利益、最重要課題と定義している経営者、2016年の終わりに償却を始める情報資産の割合などについて述べました。

ここでもCEOのSATAYA NADELLA氏が提唱する「すべての企業はソフトウェアの開発会社になる」というキーフレーズを用い、デジタルカンパニーになるために変革へ挑戦していきましょうと呼びかけました。

「我々の絶対的な強みは、本スライドにあるデータをもっているということだ。Office365、Dynamics365、Azure、Being、LinkedInという膨大なデータを保有しており、これらをつなぎ合わせて活用することで、真っ先にデジタル変革への挑戦ができるのは、我々マイクロソフトだ」と強調しました。

今、我々は、膨大な資金を投じて、Azureのデータセンターをグローバル市場で増やしている。その数は世界で38地域だ。AWSとGoogleのそれらを足しても、この数字には至らないのだ。
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Dynamics365はクラウドネイティブであることから、AzureのSQL Paasであり、SQLを活用していることから分析データの生成も容易で便利、災害対策もご安心くださいと説明しました。
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Dynamics365がリリースされる前は、ERPとCRMが個別に存在していて、ユーザーにとっては異なるシステムを選択、導入、維持管理する必要がありました。
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Dynamics365を活用すると、ビジネスプロセスがサイロ型*することなく、リードの創出、引き合い、見積もり、受注、計上、請求書発行という一連のプロセスが管理できます。
*コンピュータ業務システムにおいてアプリケーションやデータが部門や個人ごとに孤立していることを「サイロ型システム」
ここで注目したいのは、Marketingのところに『』書きで、「Adobe」と小さく書かれているところですね。マーケティングモジュールに強力な援軍が現れる日が待ち遠しいですね。これはほんとやばいですよ。
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また、Dynamics365を活用すれば、すべてのビジネスを考慮した分析をすることができますと強調しました。(Power BIで実例をとりあげて)
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次にDynamics365の骨子を定義し、「合理性」「生産性」「知性」「適応性」について各々解説をしていきました。
まずは、目的に合致する構築になるように、必要なビジネスを、必要なところから、既存の仕組みをつかいながら、自分たちのペースでやっていきましょうと説明しました。
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目的に合わせた構築ができることを体感するデモンストレーションが行われました。プレゼンターは、Ryan Darby Martin氏で、本オープニングキーノートでは3回ほど登場してデモンストレーションを担当してくれました。準備も含め諸々大変だっただろうなぁ。今回の一番の功労者ではないでしょうか。
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一番最初は、Dynamics 365 for Sales(以降D365S)の受注オーダーリストの確認、
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統一されたユーザーインターフェースから、Dynamics365 For Operations (以降D365O)を開き、受注伝票を確認し業務効率化をアピールしました。
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次に、AppSourceにて、Dynamics365 for Serviceに適用できるアプリを検索し、
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AvePoing Citizen Servicesというアプリをダウンロード、
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10分ほどで利用可能となり、
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保守メンテナンスの状況が地図上に容易に展開できること、サービスをアジャイルに構築できることを示しました。こういうスピード感でサービスが利用できることは、これまでの基幹システムの世界では非常に難しかったわけで、クラウドによってユーザーがメリットをうける一つの大きなポイントといえるかと思います。ただし、バグがあると大変になるので、アプリの認定制度も厳密にやっていかないと、パートナーがユーザーに提案して大問題が発生するシナリオが想定されますね。ここが注意。ただ検証環境をアジャイルに構築できるわけですから、認定アプリだとしても、しっかりとパートナーも事前準備ができますよね。

続いて、「生産性」について、いくつかのシナリオで解説がありました。

再び、Ryan氏の登場です。

次にモバイルを活用したリードジェネレーションに関するデモンストレーションが行われました。

下記のように引き合い情報が確認できます。

上述のモバイル上の引き合い情報から見積もりをモバイルで作成し、Office365のOutlookで受注処理して、請求処理まで行うというデモンストレーションが行われました。先日のDirectionsAsiaでデモンストレーションを私のセッションでもおみせしたものに似ていますが、モバイルアプリというアレンジが加わっていてこちらのほうがいいですね!
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また、AXの経費精算モジュールを活用し、Summit EMEA2017にかかる費用を笑いを取りながらモバイル入力し、AXにデータを渡していくデモンストレーションを展開し、非常に簡単に、楽しく精算業務が行えるイメージを共有しました。
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次はD365Oのタスクレコーダーのデモンストレーションです。マニュアルつくるの大変ですよね?いつのまにかオペレーションもかわっていますよね?さらに、マニュアルってどこにいったかわからなくなりますよね?という切り口でタスクレコーダーの説明を行いました。

D365Oでは、カーソルが次の入力/選択項目を教えてくれる、操作ガイダンスとしてタスクレコーダーという機能があります。これさえあれば、マニュアルはいらない。といわんばかりのデモンストレーションでした。

ここで、ビデオを見てみましょうということで、TGI Fridayの事例紹介がありました。
Dynamics365、Office365の活用、更にはAzureの機械学習を活用すること、そしてリアルタイムのデータを活用できるプラットフォームが整った事で、業務の生産性がたかまったというご紹介でした。

更に「インテリジェント」という切り口で、プレゼンテーションは続きました。

今回のプレゼンスライドの中で、個人的に気に入っているのが、これです。非常にわかりやすいですよね。Azure IoT Suiteの画は機能が沢山含まれていて、逆にITに疎い人には理解が難しいように思います。IT部門の方以外はこのレベルで説明するのがいいのではないでしょうか?

インテリジェントデモって何かな?って感じましたが、ここでまたRyan氏の登場です。リレーションシップマネージメント、Power BI、カスタマーインサイトというトピックでシナリオを展開しました。

まずは、D365Sのダッシュボードが見やすくなった事に触れて、

次に機会管理(オポチュニティー)について、いくつかの画面を用いながら説明しました。視覚的に訴えかけるユーザーインターフェースはかなりいいですよね。

下記の画面でも、関係性が希薄しつつあること、どのような手段でコンタクトをとっているか?などの情報が見える化できています。セールス&マーケティングの担当者にとっては非常に有益な情報ですね。

↓では、Yammerなどに書き込んだ情報も連携して、ここから参照できるのも情報の共有化及び効率的な活用といえますね。実はオペレーターにとっては非常に便利な参照情報なんですよね。

この伝票のProduct Line ItemからSuggestionsボタンをクリックすると、


下記のように1明細が追加されました。ここでドキュメントの画面に変遷すると

この引き合いに必要なドキュメント関係も提案してくれます。

この辺りも私はかなり好きな機能群です。SharePointとも連携してくれますし、「あれ、どこにいったっけ?」ってなることもなく、探す手間も省けるので今の自分の業務にも役立ちそうです。(Dynamics関係のプロジェクトとかね)

Power BIもD365Oに埋め込めるようになって1年がたとうとしていますが、

入金の回収情報や予定までを埋め込まれたPower BI のレポートで確認することができます。利用しているアプリケーションから別のアプリケーションに切り替えることなく、日々のオペレーションができることは便利ですよね。

情報を連携し、デジタル変革を実行できるインテリジェントなプラットフォームとはどのようなものなのか?と切り出し、インサイト*をどのようにアクションに結び付けることができるのか?と問いました。
インサイトとは、消費者の行動や思惑、それらの背景にある意識構造を見ぬいたことによって得られる「購買意欲の核心やツボ」のことです。

”顧客の購買意欲を助長させるためのDynamics365とは?”これは、一体どんなソリューションなのか?このスライドにCortana IntelligenceとAzureという文字が見えたので、Azure Iot Suiteかなとは想像しました。

MARSTON’Sは英国に詳しいとご存じの方が多いと思いますが、かなりのPUBを展開する酒造とパブの両方を運営している企業です。具体的にはどのようなソリューションを展開したのでしょうか?

そうですよね。お店の中では、下記に記述されているような「いろいろな心の声」がありますもんね(笑)

購買意欲を掻き立てるために、マネージャーやスタッフはどのようにアクションをとるべきなのか?その情報をどのように得ていくのか?非常に興味を持ちました。

ウェイターには、過去の訪問情報、誕生日、シート情報、更には機械学習を活用した提案すべきお料理までの情報を提供しています。

MGRには先ほどからお見せしているPower BI を活用してほぼリアルタイムの数値情報を見える化して提供しているようです。
マーケティング担当には、過去の訪問、商品の注文履歴、趣向、傾向(遅延など)を視覚化して提供しているとのことです。リアルタイムでここまで提供できれば、すばらしいですよね。日本もこのような事例は結構ありますが、パッケージでなくスクラッチが多い。開発になる部分は、CDSやAppsなどでもっとライトで安価なサービスが提供できれば小売業の方々にとっては便利な世の中になりそうですね。
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最後に「適用性」という切り口で、先日の米国でも注目されたCDS(Common Data Service)、アプリ間で発生する定型タスクの自動化、プログラムを必要としないモダンアプリなどのデモンストレーションが行われました。
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マイクロソフトの共通データモデルにはDynamics365、Office365、パートナーがもつ業種別ソリューションであると説明しました。きっとここにAzureや、LinkedInの情報も加わるわけですから、企業にとってビジネス変革をおこすために不可欠な情報がありますね。
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ユーザーにとってCRMやERPという区別が、今後はなくなってくる。そうなるとどうデータを連携していくか?は非常に重要なファクターとなる。是非新しいアプリを開発して、企業におけるデジタル変革に挑戦してほしいと説明しました。
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次は Ms. Cathy Dew 氏がステージに招かれ、デモンストレーションが行われました。
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まず、PowerAppsでモバイルアプリを開発するために、どのようにどこから情報を収集してきたのか?下記のスライド用いて解説しました。
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最初はモバイルで、デモンストレーションにトライしようとされましたが、通信情報とPSWDに問題があり、即PCに切り替えてのプレゼンテーションとなりました。こういうところが熟練の技ですよね。本番のデモンストレーションは何が起こるかわからないのがIT業界です。非常にタクティックで、「うまい」って感じました。
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上記の25のデバイスをクリックすると、下記のデバイスリストが現れます。
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一番上のデバイスをクリックすると、デバイスの保管場所、購買履歴、販売履歴、リペア履歴などの重要情報が確認できます。
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PowerAppsを活用して、ノンコーディングでここまでできることをアピールしました。開発者でなくても、こういうモバイルアプリが構築ができるというのは企業のユーザーにとって有益ですよね。
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ここでバトンが再びMike氏に戻り、製品ロードマップが以前よりも細かいレベルで確認できるようになっているので、今後製品がどのように進化していくのか?是非興味を持ってくださいと説明しました。
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”今日からはじめようデジタル変革”と綴り、キーノートをまとめにかかりました。
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”Dynamicsでデジタル変革にとりくんでいただいているクライアント”は引き続き、まだの皆様は遅れをとらないよう今日からでも挑戦をするようにしてください”
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最後にデジタル変革にマイクロソフトとともに挑戦している企業のPVを見ながらお別れしましょう。ECOLAB社はAzureのテクノロジーを使って”水への挑戦”を世界レベルで継続しています。
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今後も個別のセッションなどで、是非Summit EMEAを楽しんでください!ありがとうございました!と綴り、キーノートはクロージングとなりました。
3週間前に米国で開催されたTech Summitと比べると、Dynamics365の基本コンセプト1~4という新しい訴求ポイントが定義され、そこにフィットするデモコンテンツが用意できたことで今回のキーノートは非常に充実したものになったと感じました。我々パートナーもこういう理路整然したシナリオでお客様にプレゼンテーションしなくてはなりませんね。改めてそう思いました。
特にCRM/ERPの区別がなくなっていくこと、Azure IoT Suiteの活用により、過去のビジネスアプリーションパッケージ内で閉じた世界観は崩れさりました。IoTを俯瞰しつつ、「デジタル変革」に挑戦、その結果として見えてきたそれぞれの企業の課題を正しく認識し、「働き方改革」につなげていけるはずだというのが私の見立てです。
↓私のインタビュー記事がBCN5月号の TOP NEWSにも記載されています↓
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また4月11日には下記のセミナーを予定していますのでご興味があれば是非ご来場ください。https://www.pbc.co.jp/event/item.aspx?n=709
ユーザーからのイベントへのフィードバックとして、夢のようだけど、現実的なものも持ち帰りたい、そんな声がいくつかありました。業種、業態、参加者のITレベルもまちまちなので、個人的には、レベルにあったハンズオンセッションがもう少し充実してたほうがいいなと感じました。ただマーケティングイベントということであればメッセージの訴求、ブースでの製品提示、商談スペースなどは充実しているように見受けられました。きちんとフィードバックして来年このイベントがより良いものになるよう協力できればと思っています。
少しはオープニングキーノートのイメージが伝われば幸いです。あと2日私もDynamicsに頑張ってきますね!
——おまけ——
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その他、ブースの風景はこちらです——おまけ——-